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大阪のJazz Studio"K'z"のブログ
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 今日は、古くからの友人のご主人のご葬儀に参列しました。

11月初旬に、ばったりと駅前で『久しぶり〜!』と出会い、
立ち話でご主人の入院を知らされました。

病状は厳しいと聞いて、絶句しました。

近くに住んでいるにもかかわらず、
お互いの暮らしに接点がなく、
ここ十年近く、道すがらの立ち話しかしていませんでした。

『元気〜?またね〜!』が合い言葉。

便りのないのがよい便りとはよくいったものです。

彼女と出会ったのは、私がまだ駆け出しのSingetとして、
ライブハウスで歌い始めたころでした。

彼女は当時大阪ミナミで有名なJAZZ LIVEで、
ブッキングのお手伝いをしていたのです。
20才になっていなかったかもしれません。

尖ったマニアックなミュージシャンに囲まれながら、
若いのに独特のユーモアのセンスがあって、気が合いました。

当時そのLIVE HOUSEには海外からの来日ミュージシャンが、
アフターアワーでよく遊びに来ては、プレイしていました。

中には、相手かまわず女性に声をかける不心得者もいて、
ある日、大物プレイヤーのグループのドラマーが、
彼女につきまとっているのをみて、
『これは危ない!』月光仮面(古い!)と化した私は、
その白人ドラマーをシッ!、シッ!と追い払ったのでした。

その時の彼女の言葉が忘れられません。
『ツルカメ、鶴亀!』

大爆笑しました。

それから、彼女の実家のある町に私が転居することになり、
親しい付き合いがはじまりました。

あれから数十年、たがいに親になっても、
私にとっての彼女はいつまでも歳若い後輩の“ヨシコちゃん”のままです。

お葬式はきらいです。
できれば参列したくありません。

亡くなった方に哀悼の意を表するのに、
決まりきった形式に従う必要はないと思う部分もあります。

またそれとは別に最近では、
そういう悲しみの場に身を置きたくないという、
切実な思いがあります。

今や結婚式やお祝い事はまわりに少なくなり、
昔なじみの懐かしい顔に接するのは、お葬式・・・です。

何回か葬儀場でのセレモニーに参列するうちに、
不謹慎かもしれませんが、持ち前の批評家癖が頭をもたげ、
こういう葬儀はまっぴらだと思うようになりました。

今日もまず、
葬儀場の式典進行係のまるで節をつけたようなくさい語り!

普通にしゃべれんか!!!
気持ち悪いわ!!!

案内係のきれいなお姉さん、
無理やりまっすぐに反らした背中で、
両手を前に一文字に組んで、デパートガールのように一礼!!!
普通のお辞儀でええやんか!!!
心がこもってるように見えへんわ!!!

しかし、今まで参列したどの葬儀よりも
心を打たれたのは、喪主である“ヨシコちゃん”の長男の
あいさつでした。

親族があいさつのために並び、
チラホラと伝え聞いていた家族の近況を、
思い起こしつつ見ると、
眉をそって頭を刈り上げたヤンキー風の次男は、
喪主挨拶の間、涙を堪えきれず声を殺して泣いていました。

長男のあいさつ、
『本日はお忙しい中、ご参列いただきましてありがとうございます。
・・・・・あまり帰って来ない父でしたが・・・・・・・・・・
・・・・僕達もすっかりそれを受け継いでしまいました・・・・
・・・・皆様本当にありがとうございました。』

家庭内の諸事情を漏れ聞いていた友人、知人にはそれで十分でした。

これほど簡潔で雄弁な挨拶ははじめてです。

あちこちからすすり泣きが聞こえてきました。

ご主人はこうして送られて幸せな方だと思います。

ご冥福をお祈りします。





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枇杷、桃、蓬はもう一生食べられないアレルギー体質の私。
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